ブラジル、といえば広大なアマゾンを想像する方も多いのではないでしょうか。これからご紹介する地域は先述したAkesson’ Organic社のものとは別の地域、アマゾンで採れるカカオになります。
このカカオはブラジルの広大なアマゾンでも全体のわずか5%に満たない「ヴァルゼア」と呼ばれる川沿いの低平な土地あるいは増水期に水に浸る氾濫原で自生するワイルドカカオ(野生種)です。その地域に自生するカカオはアンデス山脈から数千キロの長旅を経て運ばれてくる豊かな栄養分のおかげで、肥料や農薬がなくとも充分に育ちます。しかし、品種改良されていない野生のカカオになるため小ぶりなサイズが特徴で、そのサイズ感からチョコレートの原料よりもココアバター搾取用のコモディティ品として長年低価格で取引されていました。
そのような現状の中、弊社のパートナーであるNPO法人クルミン・ジャポンとアマモス・アマゾン株式会社は、アマゾナス州で唯Bean to bar生産するNa Floresta Alimentos Amazônicos 株式会社や国内外の専門家と協働しながら、野生種カカオの高付加価値化を目指し、発酵プロセスを開始しました。
NPO法人クルミン・ジャポンは2008年より(前身団体含む)、アマゾンの自然と人々の暮らしや文化を守るためのアグロフォレストリー普及活動を行っています。発酵豆には未発酵豆の2-3倍の価格を支払いし、環境保全型農業により収入を増やすことで経済とアマゾン保全の両立を目指しています。
森林生態系と共存し、アンデス山脈と川の栄養によって育まれ、世界一を誇る生態系に暮らす膨大な微生物たちがうまみを醸し出す。まさに自然の恵そのもののカカオが、アマゾンの人々の生活や、森と川を守ることを助けています。
また、日本人スタッフも農家の家に泊まり込む等現地に根付いた活動を行っており、全てのカカオの生産者のトレースが可能で、しっかりと顔の見えるカカオです。
地域 | アマゾナス州マニコレ市およびマデイラ川流域 |
---|---|
品種 | クリオロ、フォラステロ、トリニタリオの交雑種 |
発酵方法 | ボックス法 |
発酵日数 | 5-6日間 |
攪拌 | 48/24/24/24(h) |
乾燥方法 | 屋外天日干し |
乾燥日数 | 7日(季節によって変動) |
水分値 | 6.7%前後 |
---|---|
選別 | 目視・手選別 |
認証 | N/A |
その他 | アグロフォレストリーによる自然農法(農薬・肥料無使用) |
フレーバー | 青リンゴ、バナナ、山椒 |
国内生産量 | 190,000トン(2016/2017) |
収穫期 | メイン1-5月 |